皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
90才代の女性takakoさんと80才代の女性yoshikoさんはお二人とも認知症を患っています。
takakoさんは足腰が弱って転けることが増え、一人暮らしが困難になって入院してきました。シルバーカーで歩いても腰が痛むため車椅子生活になっています。
yoshikoさんは人工肛門造設をしてストーマケアが必要です。ストーマパウチを自分で剥がしてしまうことがよくあります。安定して歩けますが、トイレの場所をすぐ忘れてしまいます。
お昼間takakoさんは、フロアの決まった場所で算数プリントをしたり本を読んだりしています。「家へ帰らんなぁ」が口癖で困っている様子の時もあるのですが、私が声をかけると、話の最中によく大きな声で「なぁ~、はっはっはっ」と困り笑いをするのです。
誰とでもスキンシップを好みいつも「ありがとう、ありがとう」と言っている明るいyoshikoさんが、takakoさんの隣に座るようになっていました。
そんなある日、「わっはは、わっはは」とtakakoさんの大きな笑い声がナースステーションまで聞こえ、私は聞き耳をたてていました。
yoshikoさんが「おばあちゃんは子供おるの?」とtakakoさんにたずねていました。
takakoさん 「おるよ。わっはは」
yoshikoさん 「何人?」
takakoさん 「4人、男の子が3人と女の子。わっはは」
yoshikoさん 「いいね。私は男の子2人、女の子もほしかったけど」
takakoさん 「みんな優しいよ、女の子も男の子も優しいよ。わっはは」
yoshikoさん 「うちも男の子やけど優しいよ。ふふ」
「おばあちゃん、子供何人?」
と、二人の話は続くのです。
takakoさんとyoshikoさんの幸せな笑い声が溢れていました。
私はいつもお二人の会話をこっそり聴いています。これからもね。(ふふ、微笑)
公開日
わっはは わっはは
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