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人の役に立つ仕事、自立したいという思いで看護師の道へ

認知症看護認定看護師
峯山美恵

 子どもの頃から、人に役に立つ仕事をしたいと思っていました。将来の職業について考えるときに、人の役に立つ仕事という視点とキャリアが自分のものとなり、自立できるという思いで看護師の道に進むことにしました。看護師になって最初の配属先は、神経難病の病棟でした。長期入院、難病患者さんの看護に難しさを感じながらもたくさんのことを学べました。病気の治療はもちろんですが、長い療養生活の中で、その人の生活背景や大事にされていることを理解しながら、『その人を看る』ことの大切さを学べたことは、今の自分の看護観の基本になっていると思います。

その人らしさを尊重したケアを考え、適したケアが何かを常に振り返る

 認知症の方と関わる中で、どう対応すればよいのか困り悩むことがありました。『認知症だから』と済まされることに何か違うという葛藤もありました。認知症看護について、もっと深く理解し学びたいと思うようになりました。そんな時に、看護部長からの勧めもあり2019年に認知症看護認定看護師の資格を取得しました。その教育課程で学んだことが今の私が看護する上での礎になっています。以前は日々の業務の忙しさや今までの看護経験から看護師視点のケアになることがありました。今はケアの中心は誰か、その人にあった患者さん視点のケアが出来ているのか振り返るようにしています。『認知症だから』ではなく、『その人らしさ』を尊重したケアを実践していきたいです。

認知症の方が地域で安心して暮らせるような活動を積極的にしていきたい

 認知症看護認定看護師の仕事の役割は、認知症者の意思を尊重すること、病期に応じたケアの実践、認知症者にとって安心・安全な環境を調整、行動・心理症状の緩和・予防に努める、多職種と協働、知識を普及することで、認知症看護の普及を図ることです。何か特別なことをするのではなく、どうすればその患者さんにあったケアを実践できるのか様々な視点から一緒に考え、患者さんが安心して療養生活を送ることができる環境をつくることが私の役割だと思っています。
 今後は院内の活動だけではなく、地域の方と関わる活動にチャレンジしていきたいと思っています。コロナ禍で中止していた絆カフェの地域での開催、認知症予防の研修の開催など、認知症になっても住み慣れた地域で過ごせるような活動を積極的にしていきたいと考えています。