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高校の三者面談で「ここはどう?」と勧められて吉川病院に就職

看護助手 伊野 量子

 高校3年生の就職を考える時期に「困っている人を助けるような仕事がしたい」と思っていました。すると担任の先生が薦めてくれたのがこの病院でした。高校は地元の普通科でした。3年間部活はソフトテニスをしていました。だから、とくに医療関係の勉強をしていたわけではないし、希望を出していたわけでもないのですが、先生は「あなたはいつもニコニコしていて人を安心させるから向いていると思う」と言ってくださったのです。職場見学に行くと働いている方がみなさん楽しそうで、明るい雰囲気だったので「ここで働こう」って思いました。

ひとりで抱え込まずに周りの人に相談していくことが解決につながる

 18歳で就職して看護助手になりました。最初はいろんなことに戸惑いました。肉体的にも精神的にもきつかったです。私は祖父、祖母と同居して育ってきたのですが、働き始めてから祖父が高齢のために入院しました。そのとき介護の大切さを実感して、自分の仕事の意義を感じることができました。
 働いて5年目くらいのときに患者さんからハラスメントを受けたことがありました。そのときは仕事に行くのが怖くなったり、もうこの仕事は続けられないかもと思ったりしました。でも師長に相談したらすぐに部長に話をしてくれて配置転換をしてくれました。自分の経験談を話してくれた先輩もいました。そうして職場のみなさんが私を守ってくれたのです。働いているといろんなことがありますが、そんなときも一人で抱え込まずに相談するのが大切だとその経験から学びました。「経験として受け止める」ってそんなことだと思います。

介護福祉士の資格取得をして、仕事のステージを上げていきたい

 看護助手の仕事に就いてもう7年になります。仕事は毎日楽しいです。「ありがとう」と言われることが多いからです。その言葉を聞くとうれしくなります。師長さんからは「あなたはフットワークが軽いね」とほめていただくこともあるのですが、私はナースコールが鳴るとすぐに足を運びます。「あ、あの患者さんだ、どうしたのかな」と、とっさに顔が思い浮かんで足が動いてしまうのです。ベッドサイドにつくと「あなたが来てくれたのね」と喜んでくださる患者さんもおられます。私の名前をフルネームで呼んでくださる患者さんもいたり、私が行くと手をたたいて喜んでくださる患者さんもおられるんですよ。だから患者さんのところに行くときは“いつも笑顔”を心掛けています。疲れていても深呼吸してから行きます。それでもときどき患者さんには「あら、ちょっと疲れてない?」とか言われます。患者さんって本当によく見ておられるんだなぁと思います。
 今は国家資格の介護福祉士の資格をとるために勉強をしています。介護のプロとして次のステージを目指しています。患者さんの若いころのお話を聞くのが好きなんです。患者さんのいきいきしたお顔を見られるがうれしいし、私自身の勉強にもなります。だから資格取得ができたら、患者さんのレクリエーションなどのプランを立てて、もっと患者さんとのコミュニケーションをとれるようになりたいです。