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高校の福祉科を卒業。18歳から吉川病院で介護の世界に飛び込む

通所リハビリテーション
介護福祉士 片山翔月

 中学生のころ、いっしょに暮していた祖母が入院する姿を見て「いつか自分もお手伝いできるように専門知識をつけよう」と福祉科のある高校に進学しました。介護福祉士の受験資格を得て高校を卒業。吉川病院のデイケアセンター部門に就職しました。高校時代はアルバイトもしたことがなかったので1年目は体力的にも精神的にもつらいこともありました。認知症の利用者さんが大きな声をあげたりするとどう対応すればいいかわからず困ったこともありました。経験を積むうちにだんだんコミュニケーションのコツがわかってきました。認知症の方でも必ず立ち入ってはいけないラインがどこかにあり、そのラインがどこなのかを日ごろから気を付けるようになりました。就職3年目で介護福祉士にも合格。プレッシャーからも解かれ、経験とともに安心して仕事に集中できるようになりました。

「何をすれば利用者さんが喜んでくれるか」繰り返しの中から見えてくる

 吉川病院の通所デイケアは2フロアあり、毎日約75~80名程の利用者さんがいます。9時半から夕方16時ごろまで、お迎えから始まり、お昼ご飯、入浴、いろんなイベント、そして自宅へ送っていくことを毎日繰り返すのが仕事です。たいへんと言えばたいへんです。お風呂担当の日はずっとお風呂の介助ですから汗だくになります。転倒などの事故が起きないようにいつも「利用者さんには背を向けない」ようにしています。そのふれあいから見えてくることがあります。ここの施設の特徴は、毎日いろんなイベントをして利用者さんに好きなものに参加してもらうところです。以前はみんな一斉に同じことをしてもらっていたのですが、それでは満足してもらえません。時代の変化もあります。アンケートをとりながら利用者さんが興味あることを実現するのもやりがいです。たとえば「手芸をやってみたい」などの声があれば、職員で手芸のできる人に講師になってもらって手芸教室を開催します。利用者さんから「デイケアに行くのが楽しい」「いろんなイベントをありがとう」と感謝の言葉をいただいています。ご家族からも喜んでもらっているのがわかるとうれしいです。

スタッフにもやりがいを感じてもらえるように気を配る

 この夏は私が企画した「芝生でかき氷」も実現しました。主任の私はこうして自分の企画も考えながら、スタッフの考えたイベントにも参加して支援をしています。「おいしいアイスクリームが食べたい」の声に応えて近くの牧場に交渉してアイスクリームの販売に来てもらうイベントも実現しました。スタッフの持ち味が活かせるようにイベントのリーダーになってもらったりしてスタッフのやりがいにも気を配っています。デイケアではお一人のリハビリテーションは1日20分です。そのほかの時間をいかに楽しく過ごしてもらうかが他の施設との差別化になります。利用者さんが望むことをスタッフと協力して実現させていくことがチャレンジでもありやりがいでもあります。