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「こうしてあげたい、こうしてあげたらいいかもしれない」とポジティブに患者さんと関わることが楽しい

病棟主任
看護師 奥枝美保子

私が看護師になろうと思ったきっかけは子どもの頃にアニメのキャンディキャンディを見ていたことです。その後、我が家で犬を飼っていたので、動物看護師になりたいと思ったこともありますが、自宅の近くの看護学校に進学し、看護師になりました。学生時代は、教師から注意されることも多く、勉強することが嫌いだったので、看護学校では、日々勉強することが多く私にとっては大変でした。ただ、覚えたことをやっていくうちに、できることが増えるので楽しかったです。看護師になってからも、上司や先輩たちから注意されることは多かったですが、看護師をやめたいと思ったことは一度もありません。振り返ってみると、当時は「こんな看護がしたい」という思いが強くなかったのが良かったのかもしれません。よく仕事が天職という人がいますが、私はそんな風に自分の仕事を捉えてはいません。それでも、目の前にいる患者さんに自分ができることでしっかり関わっていくことを日々大切にしてきました。思い通りにいかなくても、「こうしてあげたい、こうしてあげたらいいかもしれない」とポジティブに患者さんと関わることに楽しみを見つけてやってきました。

どんな風に話せば表情が緩むのか、その人のためになっているかどうかを常に気に掛けたい

看護をする上で大切にしていることは、その人のためになっているかどうかを常に気に掛けることです。例えば、ケアを拒否する人がいます。その人のペースに合わせるしかないのですが、それでもケアは必要なので、時間を変えるなどアプローチの方法をあれこれと考えます。実は、私はコミュニケーションがとても苦手なので、アプローチがうまくいかないこともよくあります。はじめは表情が強張っている患者さんがどんな風に話せば表情が緩むのかといったことを見逃さないようにしています。考えれば当然のことですが、患者さんにとっては、病院は日常の生活の場ではないですし、普段使わない医療的な言葉もわからないわけです。だから、表情が緩む時を観察することがとても大事になります。そして、様子を窺いに何回も顔を出して、患者さんにも私を覚えてもらい、安心して接してもらえるようにしています。

毎日状態が違う患者さんにできることを考えて、やってみて、次に活かすのが看護の魅力

同じ患者さんでも体の状態も、心の状態も毎日違いますし、そんな患者さんがたくさんいます。それぞれの患者さんにできることを毎日考えて看護をするのがこの仕事の魅力だと思います。考えて、やってみて、うまくいった、うまくいかなかったと評価をして、それぞれの結果の根拠を突きとめて、次にどう活かすかを考える、とても楽しい仕事だと思います。また、一人でする仕事ではなく、仲間と一緒に患者さんに関わっていくのも楽しいところです。先日、新しい部署に異動となり、病棟主任としてスタッフの管理をする立場ですが、私は、スタッフにもペースがあると考えています。コミュニケーションが苦手を自認していますが、軽い声掛けでやる気を出してくれるスタッフもいますし、丁寧な説明をすればやる気を出してくれる人もいます。それぞれのスタッフができること、苦手なこと、できないことなど特徴をよく理解して、それぞれのペースでパフォーマンスが出るように関わっていきたいと考えています。みんな一生懸命にテキパキと働いているので、無理して働かなくてもいいような職場づくりをしていきたいと思います。