公開日

対応力や判断力に不足を感じていた私が、仲間に支えられ、看護師としてやっていけると実感

通所リハビリテーション 看護主任
看護師 中西真理

私の母は自分が看護師になりたかったという想いがあり、私に看護師なる夢を託していました。私は何の疑いもなく、幼児の頃から看護師なると思い続けていました。看護師になった時、母はとても喜んでくれました。しかし、看護師になるのは思った以上に大変で、看護学生の頃は教官が厳しく、何度も挫折しそうになりました。また、看護師になってからは担当する様々な状態の患者さんに対応がするので精一杯でした。しかも、個々の患者さんは身体的にも、心理的にも日々状態が変化するので、毎日様々な観点から考えて対応していかなければならず、自分自身の対応力や判断力に大きな不足を感じて、泣くことも多々ありました。しかし、学生時代は友人たちが、新人の頃はプリセプターや先輩たちが支えてくれたので、何とか乗り切ることができました。2年目になると、後輩を迎えることになり、彼らの質問を聞き回答するたびに「あー、自分もこんなことで悩んでいたなあ、いつの間にかできるようになっているわ」と振り返る機会に、やっと看護師としてやっていけると実感しました。

遠慮の壁を越えた関わりを通じて、患者さんの大きなショックを一緒に乗り越えていきたい

入院するほどの病気や怪我は人にとって人生の大きなショックな出来事だと思います。その時に近くで関わり、ケアができる大変稀な機会を得られるのが看護の仕事だと思います。2年目の頃、20代のがん患者さんを担当することがありました。病室に行き、何を聞いても「大丈夫です、大丈夫です」と答えられ、私はコミュニケーションの取り方に悩んでいました。ある日、トイレで倒れ、そのまま亡くなられました。エンゼルケアで、陰嚢が腫れていたのを知り、「怖かったんだろうな、でも言えなかったんだろうな」ととても胸が痛くなりました。それからの私は、患者さんの「大丈夫です」を間に受けてはいけないということ、病気に目が行きがちだけれど、もっと普通の日常の話をすることを意識して、患者さんが私たちに感じている遠慮の壁を越えて様々な訴えができるよう気を配るようにしています。そういうことを意識することで、多面的に訴えを察知する機会を得ることができ、信頼関係を築く機会となるので、患者さんの大きなショックを一緒に乗り越えていくことにつながっていると思っています。

「リハビリ頑張るぞー」という前向きな気持ちになれる明るくてイキイキとしたデイケアにしていきたい

私はこの病院に入職の際に元々はガン末期の終末期の方の看護を希望していたのですが、なぜか全く真逆のイメージのデイケア(通所リハビリテーション)に配属となりました。希望にこだわることなく、「これも私の看護師人生!」と大きなやりがいを感じています。既に10年が経ち、益々デイケアの仕事に魅力を感じています。例えば、脳梗塞で入退院を繰り返している患者さんが、はじめは立てない状態、リハビリを始めて歩行器を使って歩ける状態、そして、自身で歩くことができるという回復のプロセスを共にすることは、私たちにとっては嬉しい瞬間が詰まったプロセスでもあるのです。また、私たちの関わりがあることで、在宅でケアをされているご家族から喜んでもらえることも私たちの仕事の意味を教えられます。利用者さんが「リハビリ頑張るぞー」という前向きな気持ちになってもらえる明るくてイキイキとした場所として、私たちのデイケアにしていきたいと思っています。そのためにも、スタッフにとって働きがいのある職場にしたいと思います。所長、介護主任、私の3人で、スタッフの相談に対してしっかりと考え、回答し、一緒に取り組んでいくようにしています。