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3人の子育てと仕事の両立、子どもと相談してここでの正社員復帰を決めた

看護師 塩見 佳菜

 中学生の時、部活の顧問の先生が大好きでした。その先生から「あなたの周りでしんどそうにしている人がいたらそばにいってあげてね」と言われました。キャプテンでもない私にどうしてそう言ってくれたのかわからないのですが、そのときに「よし、私は人を元気にするような人になろう」と思ったのを覚えています。職業を考えるようになったときに思い出したのがその言葉でした。「人を元気にする仕事=看護師」と思って具体的に看護師をイメージするようになりました。普通科の高校を経て宝塚の看護専門学校に進学し、新卒で大阪の病院へ就職しました。配属された小児科と整形外科の混合病棟は学生時代の実習よりもずっとハードで戸惑いの連続。精いっぱいの日々を過ごしました。看護師3年目で結婚、出産。休職して復職。その病院では6年間勤務しました。その後に子育ての環境などを考えて三田市に引っ越しました。「子どもと過ごす時間を大切にしたい」「正社員でフルタイム働きたい」「夜勤があると子どもたちのことが心配」。3人の子どもがいましたので子育てと仕事の両立にはどんな働き方がいいのか、いろいろ試す期間がありました。そうしているうちに上の子が中学生、二番目、三番目が小学3年生と2年生になりました。彼らに相談したところ「お母さんのしたいように働いていいよ。みんなでいるから大丈夫だよ」と言ってくれたので、吉川病院のデイケアに正社員として就職しました。

様子を見ながらしっかり「待つこと」を覚えた子育ての経験が活きているデイケアの仕事

 もともとお年寄りの方が好きなのかもしれません。お話をするのが楽しいです。こちらのデイケアの利用者には一人暮らしの方、家庭での家事をされながら通っておられる方など、さまざまな方がおられます。その人によってデイケアに期待されることもそれぞれ違います。私はデイケアに来られた方にはどんな方でも元気になって帰っていただきたいと思っています。ごはんをしっかり食べてお風呂に入ってさっぱりされて、気持ちがすっきりして帰っていただきたいのです。でも、それがこちらからの押し付けになってもいけない。その方がどんな気持ちでデイケアに来られたのかを受け止めることが大事と思います。それをする時、実は3人の子育ての経験が活かされているなと思います。私は子育てのおかげで「待つこと」を覚えました。こちらからなんでも先に言ったりしたりするのではなく、相手の様子を見ながらしっかり「待つ」。それによってご本人がしてほしいことにきちんと応えられるように感じています。

もっと勉強をして患者さんのことをわかるようになり、身近な存在でいたい

 高齢になると加齢や認知症などの影響もあり、コミュニケーションがとりにくい人もおられます。毎回接していると「あれ、今日は元気がないな」と感じる時があります。そのときには余計に気を配るようにしています。患者さんの身近な存在でいたいのです。デイケアの看護師はバイタルを測るなどはしますが、病院のような看護行為は少ないです。でも看護師としての知識を活かして、より患者さんをわかりたい。もっと認知症の知識を身につけて安心してデイケアを利用していただけるようになってもらいたいです。