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父親の姿を見て「困っている人を助けたり、人の役に立つ仕事をしたい」と看護師の道を志す

外来主任 福井 恵

 高校3年生のときに就労体験のような機会があり、夏休みに老人ホームでアルバイトをしました。祖父母といっしょに暮していたこともあり高齢の方と関わることにはまったく抵抗はありませんでした。当時はアルバイトでも介護スタッフとしておむつ交換からトイレ介助、爪切り、食事の介助などいろんな仕事をさせてもらいました。すると「あなたの顔を見るとホッとするわぁ」と言っていただくこともありやりがいを感じました。進学先を考える際に最初は保育士にも興味をもっていたのですが、その体験で介護や看護の世界にも目が向きました。消防士であった父の姿を見て育ったので「困っている人を助けたり、人の役に立つ仕事をしたい」とずっと思っていたからです。進路指導の先生に相談したところ看護専門学校を勧められて進学しました。新卒で就職した病院で神経難病の病棟やデイケアセンターの仕事を4年経験したのちに吉川病院に転職をしました。

「何を伝えればいいか」。コミュニケーションと周囲の状況にアンテナを張ることがたいせつ

 吉川病院では外来に配属されて今に至ります。当病院は地域密着の病院ですから高齢の方が多いところが特徴です。医師の診断に基づいて患者さんに「吉川病院に来てよかった」と思ってもらえるような看護を心がけています。外来はいちばん最初に患者さんと接する部署ですから、そこから得た情報をうまく医師や関連する部署に伝えていくコミュニケーション力が求められます。また患者さんとのコミュニケーションでは、受け身になるのではなく積極的にかかわっていくことで、患者さんが望んでいることをしっかり受け止めて「どうすればいいか」「何ができるか」を考えられるようにしています。それにはアンテナを張ることがたいせつ。ちょっとした言葉の端々や表情から相手の気持ちや要望をくみ取ること。それを院内、場合によっては転院先の病院に伝えて患者さんが望む医療を提供できるようにする。それには「何を伝えればいいか」を判断する力も必要だと思っています。

全員が同じレベルで看護ができるように、「連携」を意識しながら情報の共有、交換を!

 4年前からは主任職をしています。師長が兼務をしているため日常の勤務表の作成や業務分担などは私の仕事です。現在はパート職も含め7人の看護師がメンバーです。子育て世代が多いので、仕事と両立できるように、不公平感が生まれないように気を配っています。メンバーによって看護の質が変わらないことも患者さんの満足度につながりますから全員が同じレベルで看護ができるように気を付けています。全国的な傾向である人口の減少、高齢化はこのエリアでも例外ではありません。「吉川病院に来てよかった」と思ってもらえるようにその患者さんの人生に寄り添うような看護をしていきたいです。退院をされても在宅で治療を続けていけることを目標に、院内の関連部門、地域の医院、病院との連携ができるように、患者さんをしっかりフォローする。送迎のバスもありますから退院後も通院をしていただけるようにする。ご家族も含めて吉川病院とのつながりを大事にしていきたいと思っています。