看護助手 肥田恵里衣
私が介護の仕事に就いたのは、この病院で働いている友人に誘われたことがきっかけでした。前職の仕事は、朝が早く、帰りも遅いので子どもとの時間が作ることができないことが悩みでした。ちょうど転職を考えている時に、当院が残業もほとんどなく勤務時間が安定していること、保育園が併設されていることを知り、介護の仕事は未経験でしたが入職することになりました。未経験なので不安もありましたし、もちろん覚えることはたくさんありますが、「介護の仕事は楽しい!」というのが正直な実感です。私が仕事をする上で大切にしていることは、「自分のおじいちゃんやおばあちゃんだったらどう関わるか」を考えることです。特に、患者さんに余計な頑張りを強いないように、患者さんの特性や特徴の理解に努めています。これまでの人生や生活、価値観や趣味など話の広がりを大事にし、お互いが理解し得るような関係性を作ることを意識しています。患者さん本人が何を望んでいるのか、それを可能な限りそれができるように考え、援助できる介護の仕事に楽しみを見出せてラッキーだと思っています。
これほど感謝される仕事、人間関係でしんどいと思ったことが一度もない職場という珍しい経験
この仕事の魅力は、歩んできた人生が全く違うたくさんの患者さんといろいろな話を聞かせて頂けることだと思います。もちろん、患者さんの想いを理解するという仕事に必要な情報として聞いているのですが、それ以上に自分の視野を拡げたり、考えを深めたりする学びの機会にもなっています。また、これほど感謝される仕事は珍しいのではないでしょうか。こちらはお手伝いをさせて頂いていると気持ちなのに、私たちの一つひとつの動作に「ありがとう、ありがとう」と一日に何回も言ってもらっています。当院は、レクリエーションがたくさんあり、その際にちょっとしゃべりかけただけでも「ありがとう」という言葉を掛けて頂き、そんな風に思って頂け、こちらが「ありがとうございます」ととても心地よい気持ちになれます。また、当院に勤めて人間関係でしんどいと思ったことが一度もないのも不思議な経験です。これまで3回の異動がありましたが、どの病棟でも嫌な思いをしたことがありません。シフトが決まっているので生活計画が立てやすいという制度面に加えて、スタッフ全員が子育て世代に理解があり優しいので、仕事に集中もできるのは当院の魅力と思っています。
関わり方の様々な知識を得て、根拠を持ってケアをできるよう、介護福祉士の資格を取得したい
今後についてですが、今年は介護福祉士の資格を取得したいと考えています。例えば、認知症の患者さんは、昼間は穏やかですが、夜になると一転されたり、感傷的になり「家に帰りたい」という訴えをする方が多いように認識しています。対応するスタッフもたいへんですが、患者さんはもっと大変だと思います。声掛けひとつで、もっと気持ちが楽になるのではないか。しかし、どのような声掛けがあるのか、効果的なのかといったことは今の私にはわかりません。食事介助についても、これまでは、むせを防ぐといった最低限の介助しか意識できていませんでしたが、食べやすさといった視点を持ち、食べる角度、クッションを使うとどうかなど意識するようになりました。こういったことについて、根拠を持ってケアをしていきたいという気持ちが強くなってきました。関わり方について様々な知識を得て、実践を重ねて、患者さんの負担を減らし、嬉しそうな表情がたくさん見られるようなケアをしていきたいと思います。