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慢性期の看護は、患者さんがゆっくりと良くなる姿に、良くなるようにケアをする仲間と喜び合えること

2病棟3階 師長 松本佳奈

私は美容師になりたいと思っていたのですが、両親ともに医療職をしており、特に母親の勧めもあり看護師になりました。看護師になり、同期の仲間に恵まれて楽しい想い出も多く、看護師になって良かったと思っています。看護師という職業の魅力は、収入が安定していること、就職先に困らないことですが、何と言っても、患者さんとの関わりこそが一番だと思います。患者さんの生活に寄り添いながら、一緒に快方に向かっていく過程は患者さんとの共同作業とさえ思え、充実感を得ることができます。また、その過程の中で、看護師・介護スタッフと互いに考えながら関わっていくことで、仲間との協働を実感することができます。私は、元々、急性期の病院で働いていましたが、慢性期のこの病院で働くようになり、新たな看護の魅力を知りました。歩けない人が歩けるようになる、食べることができない人が食べることができるようになるなど、ゆっくりとした変化であっても、少しでも良くなるように考えて、ケアをする仲間のみんなと一緒に喜び合えることです。

メンバーの意見を尊重し、それぞれの得意を苦手な人に教え合っていく風土をつくりたい

私は、メンバーとの関わりの中で大切にしていることは、以下の3点です。

  1. メンバーからのアイデアを出してもらい、それを最大限尊重すること
  2. メンバーそれぞれの持ち味を活かすこと
  3. 休息は十分に取ってもらうこと

私が何でも考えて指示を出しさえすれば、みんなも楽かもしれません。しかし、それでは、メンバーの成長を阻害するだけでなく、組織として提供する価値も向上しません。それぞれが、主体的に問題に対してどうすればよいのかを意見交換し合ってこそ、その時々の最適な解決策が生まれると考えています。また、苦手なことをすぐできるように無理強いはしません。それぞれの得意なことを苦手な人に教え合っていく風土をつくりたいと考えています。個人の成長あっての組織の成長という認識で部署経営をしていきたいと思います。最後に、休み希望は出来るだけ寄り添えるようにし、休息を取ってもらい、心身とも健やかな状態で看護をしてもらいたいと考えています。すべては、患者さんに適切な看護を提供するために大切なことだと思っています。

子育てと充実した看護師生活を可能にした「家族を一番大切にしなさい」という職場風土

今後のチャレンジとしては、認知症ケアに力を入れていきたいと考えています。病院で4DASを取り入れているので、それらを活用して実施していきたいと思います。ケアをするに当たっては、看護師・介護スタッフがペアになって患者さんのケアプランを立案してもらうようにしています。看護師と介護スタッフそれぞれの役割を互いに正確に認識し、介護スタッフも介護スタッフの視点で主体的にケアを考えることで、お互いがスキルアップすると同時に、患者さん一人ひとりにしっかりと向き合う看護を実現できるのではと考えています。すべてのスタッフは役割が異なるだけで、患者さんのことを考えるという点では対等なので、遠慮なしにみんなで考え、話し合っていくことが当たり前の組織にしていきたいと思っています。その他、褥瘡ケアにも力を入れていきたいと思います。私は、この病院で働いて7年が経ちますが、今のポジションで仕事をさせてもらい、看護師生活が充実できるのもやりたい看護ができる職場風土に加えて、「自分の家族のことを大切にしなさい」という職場の皆さんのおかげで、子育てにも特に支障なく過ごすことができました。急性期とはちがう少しゆったりとした環境ではありますが、子育てをしながら働く世代には魅力溢れる職場であると感じています。