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患者さんの「食べたい、会いたい、やりたい」に寄り添い、幸せに最期を迎えられる看護をしたい

副看護部長 兼 3病棟3階師長
松本麻美

私は、中学生の頃から看護師になることを決めて、衛生看護科のある高校に進学しました。卒業からこれまで27年間、高齢者を対象に看護をしてきました。新卒では高齢者を対象にした施設に就職する人は少なかったのですが、私自身、中学3年生の時に祖母が亡くなったこともあり、高齢者に関わる仕事を望んでいたのだと思います。高齢者看護の魅力は、これまでの“いろんなことがあった”その人その人の人生も含めて関わることができることです。そして、人間誰しも最期は大事です。そんな大事な瞬間まで看させて頂くことができる仕事は少ないと思います。どんな状況であっても、食べたい、会いたい、今までしてきたことをやりたいなど、後悔がないようにあれこれと工夫して、小さなことであっても叶えてあげたいという想いを大切にしています。少しでも幸せを感じて最期を迎えられるように寄り添い、祖母が母に「あなたが看護師で良かった」と言ったように、患者さんやご家族にも思って頂けるような看護をしていきたいです。

看護師の仕事を再確認し、独自性を発揮できるスタッフの育成をしつつ、共に成長していきたい

これまでは、私は、特別養護老人ホーム、診療所、介護老人保健施設、グループホームなどの職場で働いてきました。これまでは准看護師として働いていましたが、平成31年度、看護師になりました。そして、今年の5月から師長をすることになりました。グループホームにいた時に管理者を経験し、管理に興味を持つようになりました。また、様々な職場で働いたことは、患者さんやご家族に様々な社会資源の活用を提案できるといったキャリアが身に着いたと思います。そんな中で、私がチャレンジしていきたいことは、社会の変化の中で、看護師が看護師の仕事そのものの価値を再確認して、独自性を発揮しながら、チーム医療における役割を意識して働いていくようにすることです。やはり、質の高い看護を提供していくには、それぞれの看護師が指示されたことをこなすのではなく、根拠を考え、意図した介入やコミュニケーションができることが大事だと思います。私も、謙虚に学びながら、スタッフの育成を考えるとともに、成長していきたいです。

メンバーとはどんな小さなことでも向き合い、小さな成功体験を積み重ね、楽しみを共有したい

メンバーと関わる上で大切にしているのは、どんな小さなことでも向き合うということです。不満や願いがある時は、後回しにせずに向き合うようにしています。メンバーにとって耳の痛いことも言わなければならない時はもちろんありますが、逃げずにしっかり向き合うようにしています。医師にすべてを頼るのではなく、看護師にしかできないことは何かを考え、排泄、食事といった療養上の世話においては特に、手間ひまかけて支援することが看護という考えに基づいて、様々な新しい取り組みをしています。何でも、最初はなかなかうまくはできないものですが、大切なことは小さな成功体験だと思っています。それが増えていくことで、モチベーションは上がってきますし、一人ひとりが成長していく様子が窺えます。例えば、医師の指示に対しても、「それはなぜそうするか」といった根拠を理解できると、一つひとつの行動の意味が分かり、仕事が楽しくなってくると思います。実際に、メンバーからの質問もレベルアップしてきており、この職場の未来が楽しみになってきました。