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コーヒータイム

 皆さんこんにちは、病棟看護師の吉田です。
 今年の夏も酷暑でしたね。9月に入っても残暑が厳しそうです。
〝ホッと一息″の休憩とって下さいね。
 90才代後半のshojiさんは、車椅子生活の長期療養中の患者さんです。
 入院当初より、あまり車椅子に座りたがりませんでした。BPSDがあり、車椅子に座ってもエレベーターや階段の前から動かず、昔飼育していた牛の世話や家具の修復をしないといけないと訴える事が多かったです。少しずつ症状が落ち着き、工作レクや散歩を日課に取り入れましたが、車椅子に座るのを断るのもしばしば続きました。
 ある日、shojiさんが、車椅子自操中に、「コーヒー飲めるか?」と聞いてきました。治療食を食べている高齢者が多数で、自販機もない病棟では、コーヒーはスタッフの休憩室に置いてあるぐらいでした。私は、「コーヒー用意しましょうね。ホットですか?クリープ、砂糖はどうしましょう?吉田さんが入れるコーヒーですよ。味の保障はできませんが(笑・笑)と返事をすると、shojiさんは、笑顔で「そうか、ありがとう。一周回って来るから、その後でもらうわ。」と前へ進んで行きました。
 Shojiさんが、ちょうど戻って来る頃に、ホットコーヒーを用意してコーヒータイムになりました。「あーうまい、うまい、ありがとう。うまい」と満足気に両手でカップを持って飲んでいる姿が幸せそうでした。
 次の日からshojiさんは、2時になったら車椅子に座って病棟内を周回し、その後コーヒータイムにする日課を自分で決めて過ごされました。
 そのうち、一緒にコーヒータイムをする患者さんや「私も、コーヒーもらおうかしら」と言う患者さんも増えました。
 健康な者も病を持つ者も、〝ホッと一息″つく時間が幸せなんだと改めて教えてもらいました。
「ありがとう」「ごくろうさん」が口癖のshojiさんですが、熱が出たり、体調が崩れると、きまって「もうそろそろやな、もう近いな、そんな気がする・・・もう少し生きたいけどな」と話し、私が、「shojiさんがいないと寂しいわ」と声をかけると、「そうか、ありがとう、ありがとう」と手を握ってくれるのです。
Shojiさん、長生きしてくださいね。


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