皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
2025年の看護の日は5/12日です。例年各地で看護の日のイベントが開催されます。私は、ご縁あって今年もイベントに参加しました。
2025年の看護の日のメインコピーは“なりたい自分になってやる。”です。これから看護の道を目指す若者にプロフェッショナルとしての看護の魅力を伝えるべく、さまざまな企画がされています。
私はもう若者ではありませんが(笑笑)、“なりたい自分になれているのか”と自分に問うてみました。そして私にとっての“なりたい看護師”の原点を振り返りました。
いつも思い出します。私が新卒の時に出会った高齢女性のmiyokoさんです。miyokoさんの病状は肝癌末期でした。皮膚は黄色く、腹水が溜まり、常に個室の天井に向いて寝ていました。もう目を開けることも手を動かすこともありませんでした。ただただ表情は穏やかで、いつも娘さんが二人、窓際のいすに座って話をしていました。
新卒でチームリーダーを始めたばかりの私が、どんな保清ケアや排泄ケアや診療の補助をしたのか全く思い出せないのです。常にある記憶は、訪室のたびにmiyokoさんのベッドサイドにしゃがみ込み、手をそっと握り「miyokoさん、わかりますか?私の手を握れますか?」と声をかけていたことです。そしてmiyokoさんは必ず、弱くとも指先だけで握り返してくれるのです。その都度に「miyokoさん、ありがとう。」と返していました。そして娘さん二人に、「わかってらっしゃるわ」と伝えるのです。
ある日、いつものように私が訪室すると、娘さん二人がにこにこしながら「ほ~ら、やっぱりいらしたわ。」と言うのです。えっ、と戸惑う私に、「あなただけよ、休憩の前と後、帰る前にお部屋に来てくれるのは、」と話すのです。
miyokoさんが亡くなられた後、お二人の娘さんから私宛に郵便物が届きました。「母ならきっとこれをあなたに選んだでしょう。」と、闘病中の看護への感謝が綴られた手紙と小さなハートのペンダントでした。その時の私は、自分にできることがわからず、いつも手を握り、声をかけ続けていたのだと思い返します。
私の“なりたい看護師”の原点なのです。温かく包む手と、優しい眼差しの目と、優しい声でそばに居たいのです。“なりたい自分になれているのか”の問いの答えは、患者さんとその家族との出逢いの中で、これからも見つけ続けていきます。
中学生の孫達に夢中。野球の応援やUSJ/神戸まつりへと一緒にお出かけし、美味しいもの食べたりショッピングしたりと楽しんでます。あと、何年一緒に遊んでくれるかな??😊