皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
[人生最後に食べたいものは]なんて話題になることがありますよね。その度に違う物を答えている私です。食への興味はワクワクした気分になります。
80才代女性のyokoさんは、脳梗塞を発症して食事が摂れず、経鼻栄養となってから1年です。失語症があり、関節拘縮も進み、臥床生活を過ごしています。
yokoさんは、簡単な言葉での声かけに、少し間があったり、考えたりしてから、単語で答えてくれます。
娘さんのmikiさんが、yokoさんが(夫)の初七日の日に倒れ、そのまま入院生活になったことと、お父さん(夫)が亡くなったことを覚えていないかもと話されました。そして、一度家に連れて帰ってあげたい、お仏壇の前に連れていってあげたいと言われました。私とmikiさんとmikiさんの旦那さんでyokoさんの外出を計画していましたが、肺炎症状が出たため断念した経緯があります。
そんなある日私は、mikiさんから「向かい部屋の患者さんの奥さんから、お父さんに味のケアをしてもらっている。あなたのお母さんもしてもらったら、」と話しを聞き、「母にもできますか?」と尋ねられました。
まずはyokoさんに聞いてみようと、私とmikiさんは「yokoさん、お母さん、たべたいものはあるかしら、何味がいい?」と声をかけました。yokoさんは、しばらく考えてからはっきりと、「オレンジ」と言ってくれました。
この日から、mikiさんが面会に来られた時には、mikiさんの差し入れで、youkoさんの味を楽しむケアが始まりました。たった4さじ程度をなめるだけですが、yokoさんはいろいろな味を楽しみつつ、酸っぱい顔をしたり、考える顔をしたり、リンゴジュースの時は口にするなり「おいしいぃ」と声が出ました。mikiさんと私は嬉しくて「おいしいぃねぇ」って大喜びです。
yokoさんもmikiさんも食のワクワクを感じたのですね。
yokoさんのことを想い、声をかけてくれた向かいの奥さんと、娘さんのmikiさんに感謝します。
天然石は地球が作った芸術だと思っています。長い時間をかけて結晶化した天然石は唯一無二です。その中から直感で感じたお気に入りを集めて眺めるのが好きなんです。
万年筆はメーカーごとに書き心地が違います。スラスラ、サリサリ、ヌラヌラなど、その違いを求める内に本数が増えていました(笑笑)