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あやちゃん

 皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
 小学校教師で、今は独居で80才代の女性toshikoさんは、家で衰弱していて他院での治療を経てから、食欲が戻らないままリハビリのために入院してきました。
 toshikoさんは、無表情で、声をかけても「はい」と言うか首を振るだけでした。娘のrieさんは、海外に住んでいて毎週金曜日に母の様子を知るために電話をかけてきていました。私は毎週、来週の電話ではもっとtoshikoさんの元気な様子が伝えたいと思い、そしてrieさんの入院時の心配そうな表情を思い出すのです。私はtoshikoさんに毎日、rieさんのことを話しかけていましたが、toshikoさんは、私のこともrieさんのことも「あやちゃん、あやちゃん」というのでした。
 rieさんから“あやさん”は関東に居るtoshikoさんの妹だと聞きました。また、ayaさんにも私からtoshikoさんの様子を伝えてほしいと依頼されたので連絡を取りました。ayaさんは、母を亡くしたtoshikoさんが年の離れた自分を母親代わりのように面倒を見てくれたと言い、病状をずいぶんと心配していました。私は受話器をtoshikoさんに渡しました。お二人は久しぶりの会話をしたのです。
 ある日、少しずつ言葉数が増えてきたtoshikoさんに、私は便箋とペンを渡しました。「としこさん、あやさんにお手紙を書きませんか」と。“あやちゃんへ”から始まる手紙は大小斜めの字で便箋いっぱいになりました。日々、rieさんとayaさんの話をしていくうちに、toshikoさんの表情に笑顔が戻り、金曜日の電話では「りえちゃん、私は元気よ、ご飯食べてますよ、心配いらない、ゆっくりさせてもらってるから、りえちゃんも頑張って」と母の言葉になっていました。toshikoさんは、姉と教師と妻と母として暮らした日々の話をポツリポツリと話してくれました。「忙しかったわ」と懐かしみ微笑む姿もありました。私たちへの口癖は「ありがとう、お世話になります」でした。
 私にayaさんからお手紙がありました。「一日も早く、元気になり、どなたともお話ができる様になってほしいと思います。」「姉には、いつ迄も元気で楽しい時間を過ごしてほしいと思います。」とつづられていました。rieさんからは「ここへ来てから母は本当に幸せそうでよかった」と言って頂きました。離れていてもtoshikoさんらしさの支えとなった妹さん、娘さんを尊敬します。toshikoさんのゆっくりした笑顔も、ちょっぴり困ったときの顔も、真剣にデッサンをしているときの顔も、どの表情もとても素敵でした。忘れません。

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