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大儀 大儀

 皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
 皆さんは「ぼけますから、よろしくお願いします。」というドキュメンタリー映画を知っていますか。2018年に映画作成されています。私は2022年の年末に初めて看護連盟主催の上映会で観ました。そして2024年3月にも地域包括支援センター主催の上映会に家族を誘って観てきました。
 この映画は、監督・撮影・語りをひとり娘の信友直子さんがしています。広島県呉市で二人暮らしをしている認知症の母87歳と、耳の遠い父95歳(大正9年生まれ)と、離れて暮らす直子さんの物語です。認知症患者を抱えた家族の内側が丹念に描かれています。母、父、直子さんのそれぞれの苦悩と覚悟と使命感と言い尽くせない優しさが沁みています。
 私に誘われて映画を観た娘は、認知症の母の「長生きしたね。長生きしたら、みんなに迷惑をかけるんじゃあね。」という声に、会場の人や自分のいずれやってくる人々の老いを重ねたようでした。夫は、95歳の父の「(介護は)わしがやる。あんたはあんたの仕事をせい。」と言う言葉と、新聞記事を丁寧に読んで切り抜き張っているノートを、「言うてみればこれは、わしの宝じゃの」という姿に、一個人の強さを感じたようでした。
 私は、どのシーンでも今まで出会ってきた高齢者の方々の言葉や表情、しぐさを次々に思い出しました。
 95歳の父が買い物の帰り道に腰を下ろし息を整え「立たねば何事も損」と立ち上がり歩き出す。認知症の母がお昼弁当を買ってきた帰り玄関で「大儀、大儀」と家の中へ入って行く。大正9年生まれで戦争を陸軍で経験し、1945年敗戦、高度経済成長期、バブル時代、その間に世界恐慌やリーマンショックがあり、特にバブル時代以前を知らない私は想像をします。「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、為さぬは人の為さぬなりけり」の精神なのでしょうか。
 私がコラムを書くきっかけですが、テキックス石田さんからのインタビューの時に「大儀、大儀」と言って暮らしたいと話したことが始まりです。「忙しい、忙しい」「大変、大変」と言いながら暮らすより素敵だと話しました。日本の文化と時代を感じるからです。私の憧れなのです。(微笑)

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    ガーデニングしてます。
    球根が大好きで、只今水仙が満開です。チューリップやムスカリが咲くのを楽しみに待ってます。
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    毎夜の晩酌、刺身、煮魚を酒の肴に日本酒、ビールをくぅ~~~と飲んでます。喉に染み入る酒が最高です。