皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
90才代で息子さんとお二人暮らしの女性hatukoさんが入院してきました。息子さんも高齢で腰が曲がっていてシルバーカーを使っています。文字通りの老老介護です。
自宅でhatukoさんが床に座り込んで身動きが取れなくなったのです。一昼夜近く立てずに過ごして入院となりました。
hatukoさんは、せん妄状態で特に夜間せん妄は著明です。夜に過活動となり興奮してしまうのです。難聴のため声も大きくそしてコミュニケーションも容易ではありませんが、スタッフたちはhatukoさんの身体、精神、生活リズムの環境を整えるためのケアを根気よくしています。
ある夜も興奮していましたが、私が朝に訪室するとhatukoさんが「うんちが出とるよ、赤ちゃんみたいに動いたらはみ出るからじっとしとる」と言うのです。夜間の便意が興奮のきっかけになったかもしれませんね。
ベッド上でおしりを洗って綺麗にしている時、hatukoさんは私に「あー気持ちいい、年寄りを喜ばしてくれてありがとう。こんな良いことをして、あんたが苦しまんように、私がずっと祈っとるからな」と言ってくれるのです。
丁度昨夜、浅田次郎小説の「憑神」を読み終えて余韻に浸っていた私は思わず「ありがとう、hatukoさんはなんの神様かしら(笑笑)」と声をかけていました。
部屋の中ではhatukoさんと私ともう一人のケアスタッフで大笑い、幸せと安堵の空気でいっぱいになりました。
今もせん妄症状が出ますが、hatukoさんらしく暮らせる日が続きますように。
hatukoさんの中に八百万の神様を見たようです。ありがたい言葉に感謝です。
スタッフの今夢中
R6.3月11日に入職したばかりです!