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長生きしすぎた

 皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
 日本は、2025年の超高齢化社会が目の前ですね。
 ひとり暮らしで難聴の90才代Sさんが入院してきました。胸部の痛みを訴えて、何度か救急搬送され、一般病院で精査をしましたが、問題はなかったようです。暮らしぶりは、田んぼは人に依頼しながら畑を切り盛りし、家計や地域、役所の手続きも自分でしていました。
 普段は、他の患者さんと談笑して、お話好きの方ですが、やはり時折痛みが出て苦しんでいます。しかし、30分もすれば何事もなかったようにけろりとするのです。そんな時、私は隣に座って脈を触りながらしばらく一緒にいます。
Sさんは「長生きしすぎた」と苦笑しました。どこかで聞いたフレーズです。私の母も同じことを「えっちゃん、ばあちゃん長生きしすぎたなぁ」と言ったことがあるのです。聞きたくない言葉でした。悲しい声です。
 ある日Sさんが、他の病棟に、姉妹のように親しくしている人が入院しているから、会えないだろうかと聞いてきました。感染対策の厳しい中、なかなか難しい事です。
 夜勤明けの私は、スタッフに私のデスクに可愛い便箋と封筒がいつも入っているので、それをSさんに渡して、お手紙を書くことを薦めて下さいとお願いをして帰ったのです。
 後日、Sさんに「お手紙書きましたか?」と尋ねると、「久しぶりに書いたので手が震えたわ」笑笑「私はいろんな人から色んな物を頂いて有難いけれど、あなたのその気遣いをもらうのは本当に幸せです。」と言うのです。私は嬉しくて、気付けば「幸せはお互い様ね」って両手を握り合っていました。働き者のあたたかい手でした。
 今も、時々胸の苦しみや寒気や頭痛や息苦しさなどのさまざまな訴えがあるのです。そして、年老いてゆくことへ「もう、90も過ぎたらあかんね」「死ぬまで(症状)付き合わなしょうがないね」「迷惑かけるばっかりや」と話すこともあります。
 Sさんにとっての老いる不安から、老いる幸せへのお手伝いができないかと、日々思いながらお話を聴き頷いています。

スタッフの今夢中
  • 神野ナースの夢中
    ユニバ年間パスを使ってハリドリ(ジェットコースター)に乗りに行ってます!最高1日4回絶叫した事もありますよ!
    エネルギー補給できま~す

  • 2年半前からのっている愛車セレナ(ダイヤモンドブラック)の洗車に夢中です!いつもピカピカですよ!
    大事にしています😃