皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
年明け2024年はどちらで迎えられましたでしょうか。
故郷はありますか、私は生まれ育ったところより、四季を感じる今の暮らしの場のほうが、年月を経て故郷と思うのにしっくりします。
一人暮らしで高齢女性のtaekoさんは、足の皮膚潰瘍治療のために入院していました。車椅子生活のため、潰瘍が治っても自宅へ帰ることは困難でした。
taekoさんは、年齢相応の認知機能低下があり、時折見当識障害がみられました。気になることがあると、納得いくまで繰り返し尋ねることもあり、難聴もあったのでコミュニケーションには根気がいりました。
10月の秋のことです。taekoさんが「黒枝豆が食べたい、いま季節やから、私だって故郷を感じたい」と話すのです。taekoさんの嫁いだ土地です。人生のほとんどを暮らしてきた故郷ですね。「こう見えても、私は苦労人なのよ」と田んぼや畑を切り盛りしていた話をしてくれたのも思い出します。
12月に自宅すぐ近くの施設へ退院されました。泣いて喜んでいました。本当に良かったです。故郷に身を置く幸せを教わりました。
taekoさん、毎日私の髪留めを褒めてくれましたね(笑笑)。『故郷忘じがたく候』(司馬遼太郎)も読み返してみましたよ。出逢えてよかった。
スタッフの今夢中