皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
90才代の女性hirokoさんは、自宅でほぼ自立して暮らしていましたが、肺塞栓症を発症して緊急搬送され治療を受け回復、リハビリも頑張っていたところにコロナウイルスに罹患して、在宅での日常生活が難しくなり入院してきました。
hirokoさんは自分で寝返りがうてず、言葉数が少ないままの入院生活が過ぎていました。その間に膝関節炎をおこして車椅子離床もなかなか進みませんでした。
入院して2ヶ月が経過した頃より、膝関節炎が軽快して車椅子に座る時間を増やせるようになりました。同時にhirokoさんの表情に明るさが戻り、言葉数が増えてきました。私の髪留めを見て「わ~きれい、わたしそういうの大好き、ちょうちょねぇ~」と嬉しそうに言ってくれる日も多くなってきました。スタッフのユニホームを見ては「いい色ね、きれいねぇ」と褒めてくれる時もあります。hirokoさんはオシャレをしていたのでしょうね。
清拭ケアをしていたある日、寒がりのhirokoさんは「もういい、もういい・・・、わぁぁ~きもちい~」と言い、私はホットタオルでhirokoさんの胸元、首筋、背中をゆっくり温めていました。リラックスしたhirokoさんが「ありとう、ありとう、ん???、ありがとうでした、はっはっはっはっ」と大爆笑したのです。私が「hirokoさん、『が』抜けましたね、わかりましたよ、次からは『ありとう』でわかりますよ」って言うと、hirokoさんは「お姉さん、うまく言ってくれる、自分でおかしかったわ、ほほほほ」と笑い続けるのです。しばらくhirokoさんと清拭ケアをしていたスタッフと私の3人の笑い声が響いていました。
ひょんなことから止まらない笑いっていいですね。これからもたくさんお話をして一緒に笑いましょう。心地良い笑いがhirokoさんの回復の一助になれば幸いです。
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ありとう、ありとう、ん?
スタッフの今夢中