皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
80才代の男性のsatoshiさんは、難病を患い治療とリハビリの闘病生活を経て、今後も継続しながらの生活のために入院してきました。
satoshiさんは、前医より病院生活の不満が強く、病棟のスタッフが声をかけても知らんふりや怒鳴るといった様子でした。
私は、satoshiさんがどんなことを思っているのだろうかと、朝から何度か訪室して声をかけ続けていました。いつも知らんふりなので、しばらくは挨拶だけでした。
そんな中satoshiさんは、夕食で座っているときに声をかけると話してくれることがありました。
私は、ベッドサイドにしゃがみ込み話を聴きます。そんな時satoshiさんは、2時間は話し続けます。いつも自分の幼い時の家族の話と妻のこと子供のこと、そして自分の病気のことの回想です。その時その時の自分の姿と感情を話すのです。まるでsatoshiさんが今の自分の不自由の理由を整理しようとしているように私には見えました。
私はいつもsatoshiさんの話を聴きくだけでしたが、ある日の夕刻satoshiさんの回想に自分を重ねて私の幼い頃の話をして、「satoshiさんも私もいつも自問自答していますね。私たち似ていますね。時代は違ってもね。」と言いました。この日のその後は、陽気な会話もありました。satoshiさんの微苦笑も初めて見ました。(嬉笑、意外と可愛らしいのです)
配膳された夕食が冷めた頃、satoshiさんは見えにくい目を凝らして「名前は何やったかな、そうか、よっしゃんやな」と私の名札を見てちょっぴり楽しげに言ってくれました。
“よっしゃん“の響き幸せです。
スタッフの今夢中