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2か月で辞めようと思ったのに5か月がんばったら「続けよう」と思えた

介護福祉士 松本富江

 結婚後8年間は専業主婦をしていました。働きはじめようと思ったときにいちばん最初に「私にもできるかな」と思い浮かんだのが介護の仕事でした。吉川病院の看護助手に応募し採用されました。自分には合っているかと思ってはじめたものの、なにしろ8年ぶりの仕事です。初日に教えてもらったことは緊張してぜんぜんできませんでした。看護師さんにいろんな手順を教えてもらうのですがたくさんあって覚えきれないのです。2か月がんばりましたが「もうだめだ、辞めよう」と思いました。ところが「あと3か月がんばってみれば?!」と子どもの保育園の先生が止めてくれたのです。それで「よし、あと3か月」と私も気持ちを入れ替えてがんばりました。するとなぜか看護師さんや先輩たちからほめられるようになったのです。人間って不思議なものです。ほめられるとやる気が出ます。それで続けることができました。

「介護実務者研修」で受けて猛勉強。介護福祉士になってよけいに気持ちが引き締まった

 働いて10年くらい経ったころに家族が体調を崩して3か月入院することがありました。そのときに「これまで自分は家族に支えられてきたから、今度は私が家族を支える番だ」と思い介護福祉士の資格をとろうと決めました。でも高校を卒業してから勉強らしいことはしていなかったので1回目の受験では不合格でした。2年目は「介護実務者研修」に通って介護の基本的な技術や医療ケアに関して学びなおしました。声掛けの仕方、体の起こし方、車いすへの移乗などですね。国家試験前はこれまでにないくらい勉強しました。だから2回目の試験は手応えがあって無事に合格することができました。合格してようやく介護のプロになれたという思いとともに、自分の仕事により責任を感じてそれまで以上に気持ちが引き締まる気持ちになりました。それと試験勉強をしたことで得られた知識や技術を使って、毎日の声掛けや患者さんへの接し方も変わったと思います。
 

患者さんの喜ぶ姿がいちばんのやりがい。楽しいレクリエーションをたくさんやっていきたい

 介護の仕事をやっていてやりがいを感じるのは患者さんのうれしそうな顔が見られたときですね。患者さんの喜ぶ姿を見るのが好きなんです。こちらでは毎月季節に合わせたレクリエーションを企画して実施しています。1月ならお正月、2月は節分、3月は桃の節句といった具合です。そうすると参加された患者さんがいっしょに歌を歌ったりしてうれしそうな顔をされる。なかには歌のうまい患者さんもおられてそういう方は歌ってストレス発散されるのです。歌った後の顔が違います。そんなお顔を見るとこちらも楽しい気持ちになりますね。毎回のレクリエーションを考えることはしんどいですが、それを乗り越えてうまく開催できたときはうれしいです。これからも患者さんに喜んでもらえるレクリエーションをたくさんやっていきたいと思っています。