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「また、」

 皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
 ある日、産業医そして外来担当医として勤務している80才代のm先生からお願いの連絡がありました。体交(ポジショニング)クッションを郵送してくれないかと、m先生の奥さまが自宅で闘病生活をしていたのです。褥瘡ができかけていると心配されてのことでした。
 クッションの用意を頼まれた私は、郵送ではなく、本日中にm先生のご自宅へ伺わなければならないと感じました。m先生と奥さまにとっての最善を考えて、それへの善行を行うべきだからです。
 病棟勤務の私は、m先生と面識がほとんどありませんでしたが、夕刻に訪ねるとm先生は何度も「ありがとう」と言ってくださいました。
 私は、張り詰めた病状を想像していました。しかし、m先生に奥さまのお部屋に案内され、奥さまと挨拶を交わし、スキンケアの話をしている間に、奥さまはなんと穏やかな表情と話し方なのかと、安堵感を覚えたほどでした。m先生の奥さまを想う優しさと一生懸命なお世話も感じました。幸いスキントラブルも軽少でした。
 私はお部屋を失礼する際、奥さまへ「また、」と軽く会釈をして、思わず小さく手を振っていました。奥さまは「ありがとう」と微笑んでくれました。決して体調はすぐれていないのに、どうしてあのような優しさが溢れるのでしょうか。奥さまらしさとm先生らしさの支え合いなのでしょうか。
 奥さまに出逢えたことに感謝します。そして、私たちを頼ってくださったm先生に感謝します。
 私は「また、」と呟くたびにあの微笑みに出逢えるのですから。

スタッフの今夢中
  • 吉田看護部長の夢中
    何でもチャレンジするのに夢中です。
    コロナ禍はお菓子やパンを焼いてました。
    パステルアートインストラクターを取り、地域の方と触れ合いしてます。ゴルフ救護で近くのゴルフ場へ行ったのがきっかけでゴルフ始めました。
    どれもまだまだ下手ですが💦
    これからも楽しいことにチャレンジしていきたいです!