3病棟4階 看護師長 香山和美
「人の役に立つ仕事がしたい」と思って看護師の仕事を選びました。療養型の病院なので長いお付き合いになる患者さんも多いです。患者さんの「ありがとう」やご家族からも「この病院を選んで良かった」と言われると達成感が得られます。今は自宅で看病をしたくてもできないことも多い時代ですから、私たちはご家族が家でお世話できない分を病院で看させてもらっていると思っています。ときには病院でお別れを迎える患者さんもおられますが、ご家族から「入院時からいろいろ相談にのってもらえたから良かった」とお礼を言われることもあります。患者さんだけでなくご家族ともコミュニケーションをよくとることで安心してもらえるように心掛けています。患者さんは急性期での治療を終えた慢性期の患者さんが多くいらっしゃいます。「病人」としてではなく「生活する人」として「ご本人のできることを引き出す」「今ある機能を落とさないようにする」ことに看護の力を注いでいます。病院には介護施設のような多種多様なレクリエーションはありません。どうしても行動が制限される部分もありますので、いつご自宅や施設に移っても困らないようにリハビリやトイレのトレーニングなども大切にしています。
スタッフのアイデアや提案が自由に出せる職場を目指したい
私は「師長が言ったから」ではなくスタッフの一人ひとりが自分で考えて行動できるような職場にしたいと思っています。日常でも困ったことやこうすればいいのにと思うようなことっていろいろあると思います。それを気軽に口に出せるようなアットホームな職場を目指しています。私の病棟では人数が少ないこともありますが、私自身も現場に入っておむつの交換や患者さんのケアをすることがあります。そのときにケアしながらでも患者さんやスタッフと話をすることを心掛けています。そうして現場にいると患者さんのふだんの姿やスタッフとのやり取りが見えますし、スタッフや患者さんとの会話の中から取り組むべきことが見えてくることもあります。現場で得られる情報はデスクに座ってスタッフから受ける報告とは違った一面があります。私が現場でみんなといっしょに行動することでより自然なコミュニケーションがとれると同時に、なぁなぁにならず適度な緊張感を保てているとも感じています。
スタッフ一人ひとりを輝かせ、縁あってここにいるみんなでいい看護をしたい
人間ですから好き嫌いも相性もあります。でもそれが仕事に悪い影響が出るようなことがあってはいけません。職場だと1日8時間はいっしょにいます。そこが楽しくないとか、イヤだなぁとか思うのはしんどいです。ここで出会ったメンバーは何かのご縁があって集まったのですから「ここにいて良かった」とか「みんなに会えば元気になれる」と思える職場にしたいですね。もちろん組織ですから、ときには決定事項として新しい方針や厳しい注意などもスタッフに伝えなければならないときもあります。それでもみんなが自然に受け入れられるように日ごろからの関係性を大事にしています。人には必ず良いところもあれば悪いところもあるし、得手もあれば不得手もあります。一人ひとりの良いところ、得手を見つけて伸ばしていく。「その人」を輝かせるようにしていい看護ができるようにするのが私の役割だと思っています。