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知らんけど ふふ

 皆さん、こんにちは。病棟看護師の吉田です。
 近畿も梅雨入りしましたね。雨雫が転がる紫陽花の花と葉がなんとも嬉しくなる私です。
 高齢女性のshizukoさんは、一人暮らしでしたが、少しずつ物忘れが増え、足腰も弱ってきていました。家族がshizukoさんの姉も居る施設での生活を勧めていましたが、頑なに断っていました。そんな時、大腸炎をきっかけに入院治療をし、せん妄も起こしていました。大腸炎が軽快してから転院してきたのです。しかし、腸内環境は整っておらず不消化な排便が続いていました。同時に「家に帰らして」と昼夜問わず怒り、歩き出そうとして座り込んで立ち上がれないのです。
 shizukoさんへ、食事の工夫や脱水予防とお薬服用で整腸しながら、話を聴き、少しでも動けるようにベッド周りに掴める環境を作り、日中は習慣であったペンを持つことを勧め、字を書いたり塗り絵をしていました。その間にコロナにも感染してしまいました。
 入院から半年あまりが過ぎ、shizukoさんは食欲良く整腸し、車椅子生活ですがベッド周囲の伝い歩きもできるようになりました。
 ある日車椅子でフロアに出てきたshizukoさんに私は、「梅雨入りしましたよ、ジメジメしてきますね。後ろ髪が伸びてきているので少し散髪しましょうか?」と声をかけました。shizukoさんは、「ほなしてもらおうか、可愛いおばあさんにしてよ。」と応え、散髪をしていました。そこへ、シルバーカーで来た高齢女性のhisakoさんが、「かわいい、かわいい、かわいいわぁ」とshizukoさんを何度も褒めるのです。

私、「お隣のおばあちゃんが、かわいいって褒めてくれよるよね」と言うと
shizukoさん、「そうか、こんなばば、かわいいか、」
私、「ほら、またかわいいって言ってくれよるよ。」「ねぇぇ、かわいいよねぇ。(hisakoさんと頷きながら)」
shizukoさん、「かわいいか、どっちでもええわ、知らんけど、」顔はふふっと笑み。
私、「あっ、関西あるある『知らんけど』やね。知らんけど、」笑笑
shizukoさん、ニンマリ笑顔。

 その後は二人で『知らんけど』談義。ご近所さんとお話ししているひとときのようでした。